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プラスチックと食べ物: 哺乳びんはガラス製が安心

この記事では、食べ物に直接触れるプラスチック製品の安全性について、気になって調べてきたことを書いていますが、(1)プラスチック容器についてが長くなりましたが、下の方にプラスチックの(2)ラップについても書いています。

BPAフリーが出回る一方で、BPAフリーに意味があるのかという問いかけ。要は、危なそうなのはBPAだけじゃないんですね。代替物のBPSとかいうものもしかり。

政府も調査中の今、言えるのは、すぐにどうこうという危険はないことと、プラスチック製品は耐熱温度に注意ということ。必ず使用上の注意に従ってむやみに熱湯をかけたり、高温にしないことです。

プラスチックは熱に弱い。常識ですね。

“危なそう”なBPAですが、人体への影響は今のところまだ特にないんですね。何百件という調査報告から裏づけられているそうです。しかし、小動物への影響は見られるということで(これも30年代から分かっていることらしいですが)、生態系保護の観点から日本はこの6月に環境省が本格的に動き出し、フランスではすでにBPAを禁止したそうです(参考:日経新聞「環境ホルモンの規制検討」2016-6-25)。近い将来、環境面からBPAは使用されなくなるのかもしれません。放っておけば、回り回って影響がこないとは言えないし、異常な動物たちを見るのは悲しいだけではありません。

1997年の “Our Stolen Future (奪われし未来) ” という著作作品で社会的に騒がれるようになったと言われます。90年代と言えば、電子レンジのこと、プラスチックのこと、缶詰のことはさらにずっと以前から(あれはどちらかというと栄養バランスの観点からだったかもしれませんが)、すでに多くの人が心配していたことですが、改めて “読み物” に仕上げてくれた意味は、たとえ科学的実験に基づいていなくても、論理に一貫性がないとしても、大きかったのだと思います。

世間があまりに騒ぐので、60年代からBPAを許可している米国FDA(食品と医薬品に関する政府機関)も安全なことを納得してもらうためといったスタンスで調査をしています。最新の見解(2010年に書かれたものですが最終更新は今年16年2月づけ)では、300件に上る科学者による調査報告書から、BPAは微量、食品に移っていることはあるけれども、それで人体に影響のあったケースはいまだ見られず、十分安全としています***。また、同文書で、ほ乳びんや乳児用の製品、パッケージについては、生産者側がBPAの使用を自発的に中止し、規制の取り止めを求めたので(飽くまでもアメリカでのBPAの乳児用製品に関してのみですが)(禁止したわけではなくて)規制を終えたとしています。まだ調査は続けられていて、今は、体内に入ったBPAが排斥されるまでに要する時間を調べているそうです。

***同報告書の冒頭に

"FDA’s current perspective, based on its most recent safety assessment, is that BPA is safe at the current levels occurring in foods."

とあります。

日本の厚生労働省のBPAに関する最新文書は2010年更新の「ビスフェノールAについてのQ&A」のようです。小動物への影響を見た調査があるとしています。人体については調査中です。

常温や冷蔵庫で1日、2日の保存とか、2,3週間の冷凍などなら、ぜんぜん心配する必要ないんじゃないでしょうか。半切りにした残りのグレープフルーツとか、ラップを切り口にぺたりと張り付けてくるりと包んで、翌日まで冷蔵とかしていますが、問題あるでしょうか?

お箸は耐熱温度70℃と書いてあるのを見かけました。何も書いてないものもけっこうあります。普通の食事なら大丈夫でしょうけど、鍋料理をつつくことを考えたら100℃に耐えて欲しいですね。なべ物には、散り蓮華(日本製の陶器なら安心)が似合うと思うのですがいかがでしょう。万一、お店で大勢でお鍋を囲むときに取り分け用のさじなどを出してなければ、遠慮なく頼みましょう。お鍋の場合、マナーや衛生より、有害物質が溶け出すかもしれないことを考えた用心です。みんなが安心して気持ちよく食べられる心配りです。

ちなみに、よく私はお茶を入れるときティーバッグをお箸でつまむので気になって計ってみたら、沸きたてのお湯をマグカップに注ぐと、5分程で60℃位でした。

電子レンジを使うなら、信頼できるメーカーの電子レンジ用を使って、使用上の注意に従いましょう。厚生労働省の検査では、湯銭にかける徳利やあっため直しに使うようなお茶碗などは加熱調理器具に含めないそうです(参考:「食品、添加物等の規格基準の 一部改正について 」2頁目)。

たまにリコールもあり得ます。政府管理の行き届いていない中国製は、申し訳ないけど、鉛の問題と同じく、やっぱり避けて賢明って思います。(*プラスチックは熱に弱いですけど、鉛の場合は熱には強く、酸に弱い。鉛に関してはこちらにまとめました。)ましてや、どこで作ったのやら、誰が作ったのやら何も分からないものとなると、リコールさえしようがありません。

BPAは、ポリカーボネート樹脂(PC/容器)やエポキシ樹脂(缶詰の内側の塗料)など一部のプラスチックに使われているものです。プラスチック素材を固くするために使うらしいです。

ポリカーボネートのリサイクル番号はです(7には、ほかにもナイロン、アクリル、ポリ乳酸(PLA)も含まれます)。表示の義務はないそうですが、うちにあるものを見回してみると、「7」と表示があるのは、押して凹むようなことはない、ガラスのようにしっかりと固いものばかりです。

ポリカーボネート (Polycarbonate/略記号PC) は耐熱温度は120~130℃とけっこうあります。割れにくく、酸、アルコール、食用油に強い。でも、アルカリに弱い場合アリ。ということは洗う際は重曹ではなくクエン酸にすべきですね。主な用途はCD・DVDディスク、電子機器の外側ケース、カメラレンズなど。(参考:日本プラスチック工業連盟「主なプラスチックの特性と用途」)

選択肢としてガラス製や陶磁器もありますが、これは鉛の心配から、特に毎日使う食器には、やはり信頼できるメーカーが食器として売っているものに限ります。中国製やお土産品や装飾品、骨とう品を普段の食器にするのはやめましょう。個人の趣味の手作りに規制はしないと厚生労働省は言っています。規制は販売するものに対してだけです。(話が横道にそれていますが)土壌に自然に含まれる鉛は50ppmまで平常値とされ、都心部などでは200ppmもよくあることだそうです。食器についての規制は1~5ppmというレベルで問題にしていることです。(話を本題に戻します)

プラスチック製は安価で割れにくい点が今なお、長所です。酸やアルコールへの耐性もかなり高いそうで、梅干しを保存しても大丈夫だそうです。まな板では木製のものより雑菌の心配がないですし、最近のシート状のものは特に扱いやすいです。具体的に何日間、保存可能などの明示はないです…梅干しがふつうに古くなって食べられなくなるよりももっと長く保存できるということ?できれば明示が欲しいですけど…

それから、プラスチック製品と言えば、ラップはどうかというと、これもまず、使用上の注意に従うことですね。

業務用の伸縮性に富むものは、ポリ塩化ビニル (polyvinyl chloride/PVC)。常温では固いため可塑剤としてフタル酸ジ-2-エチルヘキシル (DEHP) という有毒物質が使われるんですね。使用量は規制されているでしょうけど、これは耐熱性もそれほどないらしいので、基本的に電子レンジには向かないです。

家庭用は主にポリ塩化ビニリデン (polyvinylidene chloride)。あと、安くて使いにくいポリエチレン (polyethylene)のものもありますが、これは耐熱にも劣るようです。

サランラップ©のHPのFAQによると、同製品はポリ塩化ビニリデンで、日本国内(三重県鈴鹿市)で生産していて、環境省のExtend2010の時点で、環境に有害となる物質は使っていないということです。塩分や酸、アルコール、アルカリに強く、肉や野菜を直にぴったりと包んで冷凍・冷蔵保存するように作られています。ただし、電子レンジで使用の際、油分の多い食品に使うと、食品がラップの耐熱温度(140℃)を越して、ラップが溶けたりやぶけたりするので注意(それでもサランラップ©は有害なものは溶け出さないそうです)。深めの器を使って食品から3cmくらいラップを離しておきましょう。

ただ、燃やすと、ポリ塩化ビニルとポリ塩化ビニリデンは塩素を含むため、(十分に高温でないと)ダイオキシンを発生するので家庭で燃やせません。捨てる際には各自治体の指示に従います。(ダイオキシンの人体への害はベトナム戦争で証明されているんじゃなかったでしょうか。詳細は不明かもしれませんが、人体実験するわけにいかないので仕方ありません)

 

【メモ】

For decades, federal law regulating everyday chemicals was weak and outdated. The Toxic Substances Control Act, the main law meant to protect us, allowed companies to sell and use chemicals without showing they’re safe. In June 2016, President Obama signed the Lautenberg Act, finally reforming the 40-year-old law. (EDF (環境防衛基金/1967創設)、"Three reasons 'BPA-free' won't protect you" )

米国環境保護庁(EPA)、有害物質規制法(TSCA)を改正する「21世紀に向けた化学物質安全フランク R. ローテンバーグ法」にオバマ大統領が署名したことを公表、平成28年6月22日(内閣府、食品安全委員会